はじめに
虫歯のせいで頭痛がする??このような考えに至ってしまうのよほど虫歯か頭痛、さもなければ両方に意識が向けられている状況なのではないでしょうか?
虫歯も気になれば、頭痛までしてくるというのは、泣きっ面に蜂のような状況ですよね。
虫歯と頭痛は一見無関係に思えるかもしれませんが、実は密接な関係があることが科学的研究によって明らかにされているのをご存知でしたか?
今回の記事では、なぜ虫歯が頭痛の一因となってしまうのか、そのメカニズムと予防法について探ります。
虫歯や頭痛とのつながりを理解することで、こちらのブログをお読みの皆様が、虫歯になることを避け、頭痛の発生を減らすことを目的としています。
虫歯と頭痛の意外な関係を知ることで、毎日の生活における健康管理の重要性について考える機会をお届けします。
虫歯とは?
虫歯とは、歯が黒くなって穴が開いて、痛みが出て…というように大まかな内容は理解していただけていると思います。ですが、詳細を説明させてください。
虫歯とは、歯の表面のエナメル質という硬い組織が、虫歯の細菌の出す酸による作用で徐々に破壊される疾患です。
主に食事などの食べカスからの糖分をエネルギー源として活動する虫歯の細菌が酸を産生し、この酸が歯のエナメル質を溶かすことで始まります。虫歯が放置されると、歯の内部まで細菌が侵入し、歯髄(歯の神経や血管がある部分)に到達する可能性があります。これが痛みや感染症の原因となり、最悪の場合、歯を失うことにもつながります。虫歯の進行は、初期段階では痛みなどの自覚症状が少ないため、定期的な歯科検診での早期発見が重要となります。
頭痛とは?
頭痛は、とても軽いものから重篤な不快感を伴う一般的な症状で、頭部や首周辺の痛みが特徴です。
主に
・緊張型頭痛
・片頭痛
・群発頭痛
こちらの三つのカテゴリに分類されます。
・緊張型頭痛
緊張型頭痛はストレスや肩こりから引き起こされることが多く、頭の全体的な圧迫感を感じます。
・片頭痛
片頭痛は脈打つ痛みが特徴で、時には吐き気や光への過敏を伴います。
・群発頭痛
群発頭痛は非常に激しい痛みを伴い、目の周囲に発生します。
頭痛のメカニズムは複雑で、血管の拡張、神経の炎症、または脳内を伝達する化学物質がアンバランスになることによって引き起こされると考えられています。
虫歯と頭痛の関係性は?
お待たせいたしました。それでは本題に入りたいと思います。ではなぜ虫歯と頭痛は関係するのでしょうか?
虫歯が進行すると、歯や歯茎周辺の炎症や感染が生じ、これが頭痛の原因の1つとなる可能性があります。虫歯によって発生する炎症は、顎の周辺の組織に影響を及ぼし、時には顔面の神経に痛みを引き起こします。
特に、三叉神経は顔面の広範囲にわたって分布しており、この神経のいずれかが炎症や感染によって刺激されると、頭痛が生じることがあります。
科学的な研究では、お口の中の健康状態が全身の健康、特に神経系の健康に密接に関連していることが示されています。
虫歯による感染が全身に広がり、特定の症状、例えば頭痛を引き起こすケースが報告されています。このような頭痛は、通常の頭痛とは異なり、痛みの原因が顎や歯にあるため、特定の位置で痛みを感じることが特徴です。
また、専門家の見解によると、虫歯による頭痛は、虫歯が原因で生じる圧迫感や炎症が顎から頭部へと拡散することで起こりうるとされています。このタイプの頭痛は、虫歯の治療によって改善されることが多く、これは虫歯と頭痛の間に因果関係があることを示しています。
まとめ
いかがでしたか?
虫歯が原因で頭痛が起こることはなかなか状況としては多くないかもしれません。実際に臨床の場で診療室にお越しになられる患者様で、虫歯が進行していることを知りながら放置している場合や、虫歯の進行に気が付かず急に痛み出したなど、虫歯がかなり重症の度合いまで進行している状況で、虫歯の痛みを抱えながら頭痛も併発している患者様が多いように感じます。
残念ながら、虫歯は放置していても治ることがありません。
虫歯の痛みは、徐々に増していきます。軽度の虫歯の痛みから、何をしていても痛みが感じられる。動くだけで寝返りを打つだけで重症の痛みになる、と思ったらある日全く痛くなくなるというように、歯の神経に症状が進行してしまい、いつしかその神経は感染から壊死して腐ってしまい、神経の機能がしなくなるという状態になってしまいます。
そうすると、あとは歯が崩れていくのを待つしかありません。
虫歯は初期に治療を行う方が、その後もその歯を長く維持することが可能です。
虫歯?頭痛がするかも?と思う方でも大丈夫です、虫歯になったことや、そのまま時間が経過してしまったことも責めたりしませんのでご安心ください。
お口の中で気になることがあれば、ぜひ当院へご相談ください。