「歯並びをキレイにしたい」「目立たずに矯正したい」そんな希望から、マウスピース矯正を検討する方が増えています。中でも「インビザライン」は、世界的にも実績のある矯正法として知られています。
しかし、気になるのはやはり「費用」です。
この記事では、インビザラインの費用の相場や内訳、他の矯正方法との違い、そして追加費用がかかるケースまで、患者様の疑問に寄り添って丁寧に解説していきます。矯正治療を始める前にぜひ参考にしてみてください。
目次
- マウスピース矯正ってどんな治療?インビザラインとは?
- インビザラインの費用
- 追加費用がかかるケースとは?
- インビザライン治療を成功させるためのポイント
- インビザラインのよくある質問
- まとめ
1. マウスピース矯正ってどんな治療?インビザラインとは?

1-1. マウスピース矯正とは
マウスピース矯正は、透明なプラスチック製のマウスピース(アライナー)を使用して歯を少しずつ動かしていく矯正治療の一種です。一般的に1〜2週間ごとにマウスピースを新しいものに交換し、段階的に歯を正しい位置に誘導していきます。
最大の特徴は「目立ちにくさ」と「取り外しができること」。矯正中でも見た目が自然で、会話や仕事、人前に出ることが多い方にもおすすめです。また、食事や歯磨きのときに外せるため、日常生活への影響が少なく、虫歯や歯周病のリスクも抑えられます。さらに、金属を使用していないため、金属アレルギーの方でも安心して使用いただけます。
一方で、毎日20〜22時間の装着が必要であり、患者様ご自身の管理がとても大切です。装着時間が不足すると治療がうまく進まず、期間が延びることもあります。
1-2. 他の矯正方法との違い
マウスピース矯正以外にも、いくつかの矯正治療があります。それぞれに特徴やメリット・デメリットがあるため、目的やライフスタイルに合った方法を選ぶことが大切です。
・ワイヤー矯正(表側矯正)
歯の表面に金属やセラミックのブラケットを装着し、ワイヤーの力で歯を動かす伝統的な方法です。対応できる症例が幅広く、治療実績も豊富です。その反面、見た目が気になる・装置が当たって口内炎ができやすいなどのデメリットが挙げられます。また、食事の際に食べ物が引っかかりやすく、歯磨きにもやや工夫が必要です。
・舌側矯正(裏側矯正)
ブラケットを歯の裏側に装着する方法です。外からは装置が見えにくいため、審美性が高いのが特徴です。しかし、舌に違和感を覚えたり、発音しづらくなったりする場合があります。徐々に慣れていくケースがほとんどです。
・ハーフリンガル矯正
上の歯は裏側、下の歯は表側というように、表側矯正と裏側矯正のいいところどりをした方法です。見た目の目立ちにくさと、装置の違和感の少なさを両立できる点がメリットです。完全な裏側矯正より費用を抑えられる場合もあり、見た目とコストのバランスを重視したい方に選ばれています。
1-3. インビザラインとは
マウスピース矯正には「キレイライン」や「アソアライナー」など複数のブランドがありますが、その中でも特に世界的な実績と信頼を誇るのが「インビザライン」です。インビザラインは、アメリカのアライン・テクノロジー社が開発した矯正システムで、現在では世界100カ国以上で提供され、累計1,500万人以上が治療を受けていると言われています。
特徴は、精密な3Dスキャナー「iTero(アイテロ)」を使って歯型をデジタル化し、治療のシミュレーションを事前に確認できる点にあります。すべてのマウスピースはオーダーメイドで製作され、段階的に歯を動かしていくため、快適な矯正治療が可能です。
2. インビザラインの費用

2-1. 相場と内訳
インビザラインの費用は、治療の難易度や範囲によって異なりますが、おおよそ80万円〜110万円程度が一般的です。
費用の主な内訳
- カウンセリング・診断料
- 口腔内スキャン・レントゲン撮影料
- マウスピースの製作・交換費用
- 定期的な診察・調整料
- 保定装置(リテーナー)の作製費
2-2. 他の矯正方法との費用比較
それぞれの矯正法の費用相場(全体矯正の場合)は以下の通りです。なお、歯並びの程度などによって費用は大きく異なります。
矯正方法 | 費用相場 |
---|---|
ワイヤー矯正 | 60万円〜120万円 |
舌側矯正 | 90万円〜130万円 |
ハーフリンガル矯正 | 80万円〜120万円 |
マウスピース矯正 | 80万円〜110万円 |
3. 追加費用がかかるケースとは?

インビザラインの費用は基本的に治療計画の中で提示されます。しかし、状況によっては予定外の追加費用が発生することがあります。これは患者様のお口の状態や治療の進行状況に応じて変わってくるため、あらかじめ知っておくと安心です。ここでは、特に注意しておきたい3つの代表的なケースをご紹介します。
3-1. 矯正前の歯科治療が必要なケース(虫歯・歯周病)
矯正治療を始める前に、お口の中の健康状態を整える必要があります。そのため、虫歯や歯周病がある場合は治療が必要です。たとえば、小さな虫歯の治療であれば3,000〜10,000円程度が目安です。一方で、歯の神経まで影響している場合や、進行度が高い歯周病の場合は、より高額になることもあります。
なお、歯の形を大きく削らない軽度の虫歯や初期の歯周病であれば、矯正治療と並行して進めることも可能です。
3-2. 抜歯が必要なケース
歯のスペースが足りない場合など、インビザラインでも抜歯が必要になることがあります。抜歯1本あたりの費用は保険適用の場合3,000〜15,000円程度です。
なお、歯の移動量が多いケースや噛み合わせが複雑な場合、インビザライン単独では対応が難しく、ワイヤー矯正との併用や切り替えが必要になる可能性もあります。その際は、追加費用が発生することがありますので、事前の説明をしっかり確認しましょう。
3-3. 紛失・破損や治療期間の延長
マウスピースを紛失・破損してしまった場合、再作製が必要となり、その都度費用が発生することがあります。また、装着時間を守らなかったり、予定通りに治療が進まない場合は、期間の延長による再診料や追加のマウスピース費用が必要になることもあります。
4. インビザライン治療を成功させるためのポイント

インビザラインは、自分で取り外しができる便利な矯正方法ですが、その分「自己管理」がとても重要です。計画通りに歯を動かすためには、いくつかのポイントを守る必要があります。ここでは、治療をスムーズに進め、より良い結果を得るための3つのポイントをご紹介します。
4-1. 装着時間を守る
インビザラインは、1日20〜22時間の装着が推奨されています。食事や歯磨きのとき以外は、常にマウスピースをつけておく必要があります。装着時間が足りないと、歯が予定どおりに動かず、治療期間が延びてしまうことも。旅行やイベントがあっても、習慣的に装着する意識が大切です。
4-2. 定期的な通院を怠らない
マウスピース矯正は、自己管理だけで進めることはできません。定期的な歯科医院でのチェックが必要です。おおよそ4〜6週間ごとの通院で、歯の動きやマウスピースの適合状況を確認し、必要に応じて計画の見直しを行います。通院を怠ると、治療の精度やスピードに影響が出ることがあります。
4-3. 治療後の保定を忘れずに
矯正治療が終了しても、歯は元の位置に戻ろうとする性質があります。そのため、後戻りを防ぐために「保定期間」が必要です。この期間中はリテーナー(保定装置)を装着して、歯の位置を安定させます。せっかく時間と費用をかけて整えた歯並びを守るためにも、最後まで気を抜かず、指示に従って装着を続けましょう。
5. インビザラインのよくある質問

Q1.:保険は適用になりますか?
A:インビザラインを含めた矯正治療は、見た目の改善を目的とする「美容目的」とみなされるため、基本的に自由診療です。そのため、健康保険は適用されません。ただし、外科的処置を伴う重度の不正咬合など、一部例外で保険が適用されるケースもあります。
Q2:治療の痛みはありますか?
A:装着初日やマウスピースを交換した直後は、歯が押されるような軽い痛みを感じることがあります。しかし、数日で慣れる方がほとんどです。強い痛みが続く場合は歯科医師にご相談ください。
Q3:アライナーは食事中も装着したままで良いですか?
A:食事中は必ずマウスピースを外してください。装着したままだと、変形や破損、着色の原因になります。また、飲み物も、色や温度によっては着色や変形のリスクがあるため注意が必要です。
6. まとめ
インビザラインをはじめとするマウスピース矯正は、目立ちにくく取り外しが可能な点が魅力です。費用は80万円〜110万円と高価ではありますが、見た目の自然さや快適さ、通院頻度の少なさなど、多くのメリットがあります。治療を始める前に費用の内訳や追加費用の可能性を把握し、自分に合った矯正方法を選ぶことが大切です。
また、せっかく大切な時間と費用をかけて始める矯正治療だからこそ、装着時間を守ったり、定期的な通院を心がけたりと、成功のポイントを押さえて進めていくことが重要です。正しい知識とケアで、理想の歯並びを目指しましょう。
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