「銀歯とセラミック、どっちがいいの?」
虫歯治療で詰め物や被せ物を選ぶ際、多くの方が悩まれるポイントです。銀歯は保険が適用されるため費用を抑えられますが、見た目が目立つことや金属アレルギーのリスクが気になる方も。一方、セラミックは白く自然な見た目が魅力で、体にもやさしい素材ですが、費用面で迷う方が多いのも事実です。
どちらを選ぶべきかは、見た目の希望、予算、アレルギーの有無など、さまざまな要因によって異なります。
本記事では、銀歯とセラミックを「見た目」「費用」「健康面」の3つの観点からわかりやすく比較し、それぞれのメリット・デメリットを丁寧に解説。後悔しない治療選びの参考に、ぜひ最後までお読みください。
目次
- 銀歯とセラミック、それぞれの特徴
- 見た目の違い
- 費用の違い
- 健康面の違い
- 寿命の違い
- 銀歯とセラミック、選ぶときのポイント
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
1. 銀歯とセラミック、それぞれの特徴

1-1. 銀歯とは
「銀歯」とは、虫歯治療後に使われる金属製の詰め物や被せ物の総称です。主に「金銀パラジウム合金」という複数の金属を混ぜた素材で作られており、日本の保険診療で広く使用されています。
保険が適用されるため、比較的安価に治療を受けられる点が特徴です。保険内で済む治療として現在も多くの患者様に選ばれています。
ただし、見た目やアレルギーリスクなど、使用素材ならではの注意点もあります。
1-2. セラミックとは
セラミックは、陶器と似た素材でできており、天然歯に近い色・質感を再現できるのが特徴です。自費診療となるため費用は高くなりますが、審美性と安全性の両方を重視する方に選ばれています。
【セラミックの種類】
・オールセラミック:すべてセラミック素材で作られており、最も自然な見た目と金属アレルギーの心配がありません。
・ハイブリッドレジン:セラミックと樹脂(レジン)を混ぜた素材。柔らかくて歯にやさしい反面、変色しやすいことも。
・メタルボンド:内側に金属、外側にセラミックを使ったタイプ。見た目の自然さと強度を両立しますが、金属部分が歯茎に透けて見えることもあります。
・ジルコニアセラミック:人工ダイヤモンドとも呼ばれるジルコニアを使用。高い強度と審美性があり、奥歯にも適しています。
2. 見た目の違い

銀歯とセラミックで最も大きな違いのひとつが「見た目」です。
銀歯は金属製のため、口を開けたときにキラッと目立ってしまい、「治療跡が気になる」「笑うと銀歯が見えて恥ずかしい」と感じる方も少なくありません。特に前歯や笑ったときに見える位置に銀歯があると、見た目にコンプレックスを抱く原因になることもあります。
一方、セラミックは天然歯に近い白さと透明感があり、パッと見ただけでは被せ物とは分からないほど自然に仕上がります。表面のツヤや質感も本物の歯に近く、審美性を重視する方には最適です。
また、経年劣化による変色も少なく、長期間にわたって美しい見た目を保てるのもセラミックの魅力。見た目の自然さを重視したい方にとって、セラミックは非常に満足度の高い選択肢といえるでしょう。
3. 費用の違い

銀歯は基本的に保険適用内で治療が可能です。費用を抑えたい方や、短期間で治療を終えたい方にとっては大きなメリットとなります。ただし、保険診療には使用できる素材や形状に制限があります。そのため、耐久性や見た目において妥協が必要な場合も。
一方、セラミックは自費診療扱いとなるため、費用は高くなる傾向にあります。ただし、耐久性・審美性ともに高く、長期的に見れば「入れ直しが少ない」「再治療のリスクが低い」といった観点から、コストパフォーマンスが良いという考え方もあります。
種類 | 詰め物(インレー) | 被せ物(クラウン) |
---|---|---|
銀歯(保険診療) | 約1,000〜3,500円 | 約3,500〜6,000円 |
セラミック(自費) | 約40,000〜80,000円 | 約60,000〜200,000円 |
【セラミックの種類ごとの費用相場(被せ物)】
・オールセラミック:10〜15万円程度
・ハイブリッドレジン:6〜10万円程度
・メタルボンド:8〜15万円程度
・ジルコニア:12〜20万円程度
4. 健康面の違い

銀歯とセラミックの違いは、見た目や費用だけでなく、お口や体への健康面にも大きく関わってきます。ここでは、金属アレルギーや歯茎への影響、二次虫歯のリスクといった観点から、それぞれの素材の特徴を見ていきましょう。
4-1. 金属アレルギー
銀歯に使われる金銀パラジウム合金は、金属アレルギーを引き起こす可能性があります。お口の中で金属が唾液に溶け出すことで、体内に取り込まれ、手足のかゆみやかぶれといった全身症状が現れることもあります。一方、セラミックは金属を使用しないため、アレルギーの心配がありません。アレルギー体質の方や、肌が敏感な方には、セラミックが推奨されることが多いです。
4-2. 歯茎への影響
銀歯は経年劣化によって黒ずんだり、金属イオンが歯茎に沈着して「メタルタトゥー」と呼ばれる黒ずみが生じることがあります。審美的な問題だけでなく、炎症のリスクも高まります。セラミックはこうした影響がほとんどありません。歯茎との相性も良いため、歯茎の変色や炎症を起こしにくい素材として知られています。
4-3. 二次虫歯のリスク
銀歯は時間の経過とともに接着剤が劣化し、隙間ができやすくなるため、そこから細菌が侵入して二次虫歯になるリスクが高くなります。とくに、見えにくい奥歯では発見が遅れやすいのが難点です。セラミックは歯との適合性が高く、しっかり接着するため、隙間ができにくく、二次虫歯のリスクを低く抑えることができます。
5. 寿命の違い

詰め物・被せ物の寿命は、素材によって大きく異なります。銀歯は金属製のため強度が高く、ある程度の圧力にも耐えられますが、長期間使用すると金属が劣化しやすく、歯との隙間ができたり、接着剤が溶け出すことで外れやすくなることがあります。平均的な寿命は5〜7年程度とされ、状態によっては10年以上もつ場合もありますが、定期的なチェックと再治療が必要になることも少なくありません。
一方、セラミックは金属と比較して衝撃にはやや弱いものの、精密に作製されるため適合性が高く、歯との密着性も優れています。また、変色や劣化がほとんどなく、適切なメンテナンスを行えば10〜15年、あるいはそれ以上の使用も期待できます。
6. 銀歯とセラミック、選ぶときのポイント

銀歯とセラミックには、それぞれ異なる特徴があります。どちらが適しているかは、治療する場所や優先したいポイントによって変わります。
【セラミックが向いている方】
・見た目を自然に仕上げたい
・金属アレルギーが心配
・歯茎の黒ずみなど、将来的な見た目の変化を避けたい
・自費診療でも納得できる治療を受けたい
【銀歯が向いている方】
・保険診療の範囲で治療したい
・噛む力が強くかかる奥歯の治療(ただし審美性を求めない場合
・短期間で済ませたい
また、治療部位も選択の重要なポイントです。
見える部分(前歯や笑ったときに見える小臼歯)はセラミック、見えない部分(奥歯)には銀歯という使い分けをされる方もいます。
最終的には、「予算・見た目・耐久性・体への優しさ」のバランスを考えて、歯科医師と相談の上で選択することが大切です。自分に合った素材を選ぶことで、満足度の高い治療が実現できます。
7. よくある質問(Q&A)

Q1: 銀歯からセラミックに替えることはできますか?
A:可能です。現在使用中の銀歯に問題がなくても、審美的な理由や健康面への配慮からセラミックに変更される患者様は多くいらっしゃいます。ただし、歯の状態によっては追加の治療が必要な場合もありますので、まずは検診を受けていただくことをお勧めします。
Q2:保険適用でできる白い歯はありますか?
A:はい、虫歯の大きさによっては「コンポジットレジン」という白いプラスチック素材での治療が保険適用されます。また、歯科医院によっては「CAD/CAM冠」という白い被せ物も保険で対応できることがあります。ただし、部位や条件に制限があるため事前の確認が必要です。
Q3:セラミックは変色しますか?
A:セラミックは変色しにくい素材です。特にオールセラミックやジルコニアは表面がなめらかで、着色汚れが付きにくく、長期間にわたって自然な白さを保ちやすいのが特長です。一方、樹脂を含む「ハイブリッドレジン」は、時間が経つと変色することがあります。見た目を長く保つには、素材選びと日々のケアが大切です。
8. まとめ
銀歯とセラミックには、それぞれにメリット・デメリットがあります。
銀歯は費用を抑えられますが、見た目や金属アレルギー、二次虫歯のリスクが気になる方には不向きかもしれません。
セラミックは自然な見た目と体へのやさしさが魅力ですが、費用の高さがデメリットとなります。
「どこを治療するのか」「何を重視するのか」によって、選び方も変わってきます。不安や疑問がある方は、歯科医院でじっくり相談し、ご自身に合った治療法を選びましょう。
恵比寿駅から徒歩3分の恵比寿南DENTALでは、患者様のお口に最適な治療計画を立案し修復物・補綴物を提案いたします。患者様とコミュニケーションを大切にし予算・見た目・耐久性など、何を優先したいかを丁寧にヒアリング。最適な選択ができるように様々なプランをご用意しています。素材ごとの違いやメリット・デメリットもわかりやすくご説明いたしますので、治療に不安がある方も安心してご相談ください。納得のいく選択で、健康なお口を一緒に目指しましょう!
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