はじめに

長きにわたる矯正治療の終わりが見えてくると、患者さんはこの上ない達成感に包まれます。あの長い期間、鏡の前で自分の変化を見守りながら、多くの陰ながらの、たくさんの努力と忍耐がついに…！ゴールを迎える日が来たのです！！

しかし、そんな喜びも束の間。

新たな疑問が浮かび上がります。

「矯正が終わった後も、本当にリテーナーを使い続ける必要があるの？」

実は矯正治療を終えたほとんどの人がこの問題に直面します。

今回のブログでは、リテーナーの必要性について分かりやすくお伝えします。

リテーナーって？？

リテーナーは、矯正治療後に歯が元の位置に戻るのを防ぎ、新しい位置を維持するための装置です。矯正で得られた理想的な歯並びや噛み合わせを長期間保持するためには、リテーナーの使用が必要不可欠です。

リテーナーには主に二つのタイプがあります。

『固定式』と『取り外し式』です。

固定式リテーナーは通常、上下の前歯に使用され、小さなワイヤーが裏側に固定されることで、歯が動かないように保持します。このタイプは24時間常に歯に固定されているため、患者さんの取り外す管理などの努力が少なくて済むという利点があります。ただし、歯磨きでの清掃が難しく、維持のためには適切な歯磨き定期的なクリーニングが求められます。

一方、取り外し式リテーナーは、透明プラスチックやワイヤーとアクリルで作られることが多く、日中毎日や夜間だけなど指定された時間に患者さんが自ら装着します。

このタイプは清掃が容易で、必要に応じて取り外しが可能なため、食事やブラッシングの際に便利です。しかし、定められた時間装着しないと、効果が薄れてしまう可能性があるため、患者さんの自己管理がとても重要となります。

どちらのタイプも、矯正治療の成果を維持するために欠かせない役割を担っています。

矯正後のリテーナー使用の重要性

歯科矯正治療を終えた後の喜びは格別なものですが、その美しい成果を長持ちさせるためにはリテーナーが必要不可欠です。

本当に何度もお伝えしますが、リテーナーがとても大切な役割を担っています。

この必要性は、歯と周囲の組織が持つ「記憶」が関係しています。

歯は、長い時間をかけて新しい位置に移動された後も、元の位置に戻ろうとする生物学的な傾向があります。これは、歯を支える周囲の骨や組織が、矯正前の状態に自然に戻ろうとするためです。

リテーナーは、この自然な力に対抗して、歯を新しい正しい位置に保持する役割を果たします。矯正後の最初の数年間は特にこの傾向が強く、リテーナーを着用することで歯並びの再移動を防ぎます。着用を怠ると、多くの患者さんが経験するように、歯は徐々に移動を始め、せっかくの治療効果が失われてしまう可能性が高くなります。そうです、歯並びが元に戻ろうと歪み始めます。

リテーナーをしっかり続けると？

長期間リテーナーを使用することは、ただ歯並びを保つだけではありません。

それは、毎日自信を持って生きるための投資という考え方でもあります。

リテーナーは、矯正治療で得られた美しい笑顔を維持することで、自分自身に自信を与えます。その素敵な笑顔は人とのコミュニケーションを円滑にし、社会生活や職場での印象を向上させる力があります。

さらに、適切な噛み合わせは消化にも良い影響を与え、全体的な健康維持に関係します。

リテーナーを長期にわたって使用することで、これらの健康的な利点を享受することができるのです。また、歯が適切な位置に保たれることで、歯の欠けや折れるなどの損傷や歯周病のリスクが減少し、将来的な歯科治療の必要性やコストも大きく削減されます。

これらすべてのメリットは、リテーナーの日常的な着用という小さな習慣から得られます。このリテーナーを入れる、という習慣があなたの全体的な生活の質を高め、毎日をより明るく、自信に満ちたものに変えていくこと間違いなしですね。

まとめ

長きにわたる矯正治療は、一時的な成果ではなく継続的なケアが求められるということがご理解いただけたのではないかと思います。リテーナーは、治療の努力を長期間守り続けるための必需品であり、あなたの日常生活における守り神だと思っていただければ幸いです。矯正治療を受けた後は、リテーナーの重要性を理解し、適切な使用と管理を心がけましょう。当院では矯正治療後のフォローアップも積極的に行なっています。

矯正治療をお考えの方はぜひ当院へご相談ください。